FC2ブログ
2018 07 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31. »  2018 09

スポンサーサイト

 【--//--】

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Category: スポンサー広告

Comments (-)Trackbacks (-) | トップへ戻る

オクジョウ日記 第12話

 【22//2017】

みさとの体調が、優れないらしい。学校を度々休むようになり、利理は電話を掛けたりしたのだが、みさとからは心配しないでと、その一言のみを強調するといった反応が続いた。季節が移り変わるようになると、みさとから遊びのお誘いを受けるようになり、体調面での心配はなくなったように思えた。




「・・・痩せましたね」

「痩せちゃったね」


体格がしっかりとしていた先輩は、いつもよりも分厚いジャケットを羽織っていたが、顔回りからその変化には気づくことができた。詳しくは教えてくれなかった。しかし近くの病院に数日間ほど入院をしていたらしい。恋人なのにお見舞いにすら行かせてくれなかったことに利理は腹を立てたが、みさとは笑いながら、ごめんと、そういい続けているだけだった。


「どう?私のいなかった学校は楽しかったかい?」

「寂しかったです」

「そっか」

「会いたかったんですよ。ずっと不安で、眠れない位に」

「すまなかったね」

「大丈夫なの?もう動ける?」

「心配ないさ、もうこれからは安心して利理と遊べる」

「もうこんなことしちゃ、嫌だからね」

「悪かったって、もう利理からは離れないから」



数週間合わなかっただけで、普段の先輩と同じ。それがなにより嬉しかった。





bench-560435_640.jpg



映画を見たり、買い物をしたり、好きな景色を写真に残したりする。二人にはただ、淡い時間だけが流れていった。みさとは日々新しい事を見つけては、利理に伝えるようになった。それに付き合っては、いつも新鮮で且つ、さわやかな気持ちになれる。それは当たり前の出来事ではあるのだろう。しかし不思議と二人には、それが恋人同士の出来事なのか、それすら疑問に思い始めるようにもなっていた。今、私たちがしている全ては、世の中の恋人が、当たり前に過ごしている時間と同じなのだろうか。私達は一体、この先の日々をどう送りたいのだろうか。












学校で、妙な噂話が蔓延していた。利理の耳にもそれは入り、意識をするようにもなった。しかしましてや、みさと本人から、そういい告げられるとは思えない。そうであるはずがない。内心小馬鹿にしながら過ごしてしまおう。過ごしていたい。そうしていたい。



「学校中から注目の的だ。誰があんなことを言いふらしたんだ」

怒り気味でそう呟くみさとの顔を見て、利理はほっとした。そんなことは無いんだから仕方がない。

「私たちが付き合ってるくらいで騒いでるくらいだし、きっと珍しいからだと思うよ。ほら男子の想像力が云々って言うし。好きなだけ言わせておけばいいんですよ」

「強いなぁ利理は。私はちょっと真似できない」

「どうせすぐ忘れるって、それまでの信望だよ」

「・・・・・・・・・・」

「確か小3の頃かなぁ。私も長い間入院したことあって。喘息気味だっただけなのにクラスのみんな私の事死んじゃったなんて勘違いして泣き出す子もいたんだって。姿見せないと死んだ者扱いされるとは、あれは恐怖体験だったなぁ」

「うむ、ロールキャベツ美味いぞこれ」

「うまい?本当?やったー!」

「これは美味いよ、流石は利理だ。うまい!」

「みさとの好きな事なら、なんだってしてあげたいの。今度家でも作ってあげる!」

「嬉しいなぁ・・・。やっぱり、利理はいい子だ」

「頭撫でないでぇ・・・」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「・・・隠しちゃ、駄目だよね」

「えっ?」

「利理には、やっぱり、言うべきだよね」

「何を?ロールキャベツ嫌いだったの?」

「ううん、違うんだ。違うんだよ」

「どうしたの?」

「・・・・・・・・・・」

「聞くよ?」

「・・・・・・・・・・・私が、入院してたところ」

「駅前の病院でしょ?」

「最初は、本当に気分が悪くて病院に行ったんだ。分かるまで、本当にその自覚はなかった」

「重たい病気だったの?」

「病気じゃないんだ」

「・・・ねぇ、どういうこと?言いづらいなら別にいいんだよ」

「そこで、先生に言われたんだ。案内されて」

「・・・・・・・」













「私、産婦人科に入院してたんだ」








どんな言葉が返ってきても、利理は大丈夫だよと、そう言おうと思っていた。
スポンサーサイト

Category: 小説 「幕があく」

Comments (0) | Trackbacks (0) | トップへ戻る

Commentform


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

プロフィール

ゴブリン

Author:ゴブリン
ブログをはじめ早4年
たまにマニアックな記事を書くこともありますw

興味のあるもの
 ・ウルトラマン、ゴジラ、ガメラ等の怪獣特撮全般
 ・検索してはいけない言葉
 ・世界観のある音楽(galileo galilei等)
 ・旅 (主に建造物や景色がいい場所に足を運ぶ)
 ・小説 (将来は作家希望だったり?)
 ・クレヨンしんちゃん&ドラえもん
 ・ジャンプ連載作品
 ・演劇 (高校では演劇部所属)

まだ乏しい身ですが、応援のほどよろしくお願いします
  

ツイッターやってます。フォローよろしくお願いします

https://twitter.com/goburingikon

カテゴリ

おしゃべりtime

フリー掲示板

jj

現在の閲覧者数:

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
趣味・実用
2447位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
557位
アクセスランキングを見る>>

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
趣味・実用
2447位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
557位
アクセスランキングを見る>>

フリーエリア

HTML

カテゴリ

ブロとも申請フォーム

いえい

QLOOKアクセス解析
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。